図書館に行ってきました
小説を選ぶときはどうしても知ってる作家のところに吸い寄せられてしまいます。
どれを読んでも間違いなく面白い、赤川次郎作品は鉄板です。
たくさん作品があるのもうれしいところ。
わたしのミステリー好きは赤川次郎から始まった
中学校の図書室で赤川次郎の作品に出会ったのが、わたしのミステリー好きの始まりです。
三毛猫ホームズシリーズや3姉妹探偵シリーズなど、片っ端から読み漁りました。
引き込まれる幕開け。
テンポよく進む展開と会話。
短い文章で鮮やかに映し出される舞台。
なにげなく随所に織り込まれるユーモアにくすりと笑える。
複雑な謎が提供されるわけでもないのに夢中になれます。
警視庁捜査一課警部宇野41歳と女子大生永井夕子の年の差恋人コンビ
そして主人公がとにかく、良い。
この幽霊シリーズの主人公も、素敵な2人です。
弱い立場の人に寄り添う正義の味方であり、軽妙なユーモアもあり、悪いやつに鉄槌を下す強さもあり。
居丈高な警官が、警視庁捜査一課警部の肩書でみんなおとなしくなる、というあたりは水戸黄門の印籠みたいで痛快です。
この本は「オール読物」に掲載された以下の短編を集めた作品。
思い切り内容を要約すると・・・
・道端で倒れそうになっていた人をたまたま救助からの殺人事件
・血まみれの認知症老人発見にたまたま遭遇からの殺人事件
・火事を目撃した青年との駅のホームでたまたま遭遇からの殺人事件
・アイドルの握手会のトラブルにたまたま遭遇からの殺人事件
・スーパーでの買い物から事件に巻き込まれた人にたまたま遭遇からの殺人未遂事件
・リレーでバトンを落としたことから人生暗転した人にたまたま遭遇からの殺人事件
・たまたま立ち寄ったレストランにたまたまかかってきた予約電話からの殺人事件
すべての事件においていえることは、たまたま巻き込まれる、というところ。
たまたまも一個ならまだありそうと思えますが、2個あるとちょっとたまたま過ぎない?という気もします。
世界がバブル時代のまま、または夕子は大金持ちの令嬢なのか
事件とは全く関係ないところですが・・・
デートのたびにおしゃれなレストランやカフェ。
家計管理で汲々としている私にはまぶしすぎる。
赤川次郎の世界の中はちょっとしたバブル時代感があります。
夕子はまだ学生なのに「お金持ち」感がときどき出てくるんですが、さすがに刑事と付き合っていて夜のバイトで荒稼ぎはしてないと思うので、実家が金持ちなのかな。
今なら大学生でも起業してお金持ちな人がいるので、社長してるんだったらすごいんですが、実家が金持ちなだけだったら、ただのお嬢様、ということに。
刑事さん、毎回高いお金おごることになって大丈夫か、心配になります。