・子供のころは父の希望で毎朝パンと牛乳、卵料理と野菜炒め
毎朝母が作ってくれているのですが、ご飯だとおなかがもたれるから朝食はパンにしてほしい、という父の希望があったそうです。昔の食パンは今と違って独特の癖のある味で、あまりおいしくありませんでした。毎日1個たまごを食べると体によい、と信じていた母は、目玉焼きを必ず朝食に作っていました。黄身のどろどろが苦手な私は、火の通っていない目玉焼きが好きではなく、子供のころの朝食はあまり楽しいものではありませんでした。
・コレステロールが気になりだしてから、パンをやめて餅入り味噌汁に
年月がたち、健診で母は脂質異常症を、父は糖尿病を指摘されるようになりました。パンにマーガリンやバターは体に悪い、という巷の情報をえて、餅入りの味噌汁に野菜サラダと卵、という朝食に変化します。餅はおいしかったのですが、おなかがもたれる感じがして苦しいため、私は食べなくなりました。すると、家族全員にバランスよい食事をとらせたい母は、餅の代わりに糖質がとれるよう次の献立を考えだします。
・無水鍋を買って餅の代わりに焼き芋に
餅の代わりになったのは、イモ類でした。サツマイモ、じゃがいも、そしてイモ類じゃなさそうなかぼちゃなどを、焼いたりゆでたりしたものが出てくるようになります。無水鍋を買って焼き芋を自宅で作れるようになったときは、しばらく毎日焼き芋という贅沢な日々が続きました。焼き芋は大好きだったので、毎朝楽しみでした。しかしどろどろの黄身が流れ出る目玉焼きは続いていました。
・管理栄養士さんの助言でコレステロール対策のため卵なしに
やがて私も毎回血液検査でコレステロールが高い、と医師に言われてうんざりするようになります。コレステロールを下げる薬は、服用によって得られるメリットより副作用でダメージを受けるリスクのほうが高く、金銭的負担も考えるとデメリットしかないと私は感じます。運動を勧めるほうがよほど体によいのではないか、と思いますが製薬会社の利益などもからんでいるのでしょうか、医師はしつこくコレステロールを指摘します。そこで管理栄養士に食事について相談すると、「コレステロールの高い人はたまごを食べるのをひかえたほうがよい」というアドバイスを受けました。体に良い、と信じて毎日1個以上たまごを食べ続けていた私は衝撃を受けます。母に伝えると、「1日1個は食べたほうがよいはずだ」というたまご神話を展開していましたが、私は管理栄養士の助言のほうを信じ、毎朝たまごを食べるのをやめることにしました。正直いいますと、どろどろした目玉焼きから解放されたかった面もあります。
・コレステロール値、劇的に下がる。たまごの代わりに練り物やツナでタンパク質補給
毎朝たまごを食べることをやめたところ、コレステロール値は半年で正常値まで劇的に下がりました。日常生活の健康に与える影響の大きさをしみじみと感じた出来事でした。栄養バランスを大切にしている母は、たまごの代わりにタンパク質がとれるよう、ツナや練り物の煮物を朝ごはんにならべるようになりました。サラダにはいつも3種類のナッツがのっており、これにあらびきのブラックペッパーをたっぷりかけて食べるのが今の毎朝の楽しみです。